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声明・宣言

裁判官・検察官非常駐支部の解消に向けた行動を取ることの宣言

北海道弁護士会連合会では、2000(平成12)年度定期大会以降4度にわたり裁判所の機能充実を求める決議を採択し、本年度定期大会では、「地域住民の裁判を受ける権利の充実を目指して~司法基盤の整備はすすんでいるか~」と題し、裁判所・検察庁の支部における問題点と改善策をテーマとしたシンポジウムを開催した。これは、裁判所が国民に身近で利用しやすく納得のできる裁判を行い、基本的人権の擁護と社会正義の実現を図る最後の砦であることを強く期待したからである。

しかし、本年12月9日開催された第1回北海道弁護士会連合会支部協議会において、裁判所・検察庁の支部における問題点は2000年度以降ほとんど改善されておらず、その結果、地域住民の権利が十分に救済されないまま今日に至っていることが改めて明らかとなった。たとえば、裁判所支部に裁判官が常駐していない結果、本庁であれば数週間で解決することでも事件解決までに長期間を要することとなったという例が報告されたほか、夫から暴力を受けた妻を保護するDV事件の保護命令を得るため、支部に裁判官がいなければ遠くの本庁まで行かなければならなくなり、ときには生命にかかわる問題になると訴える例もあった。

地域住民の裁判を受ける権利は侵害されている。我々は、裁判所・検察庁支部の充実化が図られないまま問題が放置されている極めて重大な状況にあることを改めて共通の認識とした。

このことを踏まえ、支部問題の抜本的な解決を実現するため、道内4弁護士会のみならず、地域住民の方たちはもとより、各地自治体及び関係諸団体並びに各地の市町村議会議員、道議会議員、国会議員、さらにはマスコミ各社と協力し、裁判所・検察庁支部の機能を充実させるための抜本的かつ有効的な対策を講ずる必要がある。

その第一歩として、裁判官・検察官が一人も常駐していない支部に少なくとも一人の裁判官・検察官が常駐する体制を早急に実現するため、従前にも増して主導的かつ精力的に運動を行っていくことを決意し、ここに宣言する。

2010(平成22)年12月11日

北海道弁護士会連合会
理事長 高崎 暢

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